住所東京都 渋谷区 恵比寿南 2-3-15 ココスペース恵比寿南 1F
営業時間17:00-24:00
アクセス■恵比寿駅 ①〈徒歩〉…4分 ②〈ダッシュ〉…1分 ③〈彼女はよく語った。 少女のように目を輝かせては、いかに和牛が素晴らしいかを私に説いた。よく分からないという異論はすぐさま棄却され、味わい、飼料、血統、果ては歴史や作り手の想いまでもを代弁してみせた。その甲斐あってか、私は少しばかり知識が増えた。 彼女はよく食べた。 イチボ、マルチョウ、内平、ミスジ… 自分好みの部位を探し当てるまで彼女は決してオーダーをやめることをしなかった。 網の上で華麗に肉を踊らせ、リスかハムスターのように頬いっぱいに肉を詰め笑った。 しかし18皿目を平らげ、腹を抱える帰り道、二度と焼肉には行かないと宣言された時は正直複雑な気分になった。 彼女はよく泣いた。 日々の些細な出来事をこの世の終わりのように嘆いては、言葉と雫をその後、炎と煙に上手に巻いた。 彼女はよく笑った。 楽しい時、嬉しい時。肉と米を携え、本当に楽しそうに、嬉しそうに笑った。 見ているだけでとても幸せな気持ちになれた。 僕も彼女にとってそうありたいと願った。 僕の側にはいつも肉があって、火と煙の向こうにはいつも彼女がいた。 + naizoo そう書かれたガラス壁を前に物想いに耽った。 打ちっぱなしのコンクリートにピンクのネオンが怪しく揺らいでいる。 どうやら、和牛の無人販売所らしい。すごい時代になったものだ。 時流に想いを馳せながら、ジャケットの内ポケットを探る。着信はない。 人差し指で辿る、見慣れた文字。 名前。 ガラス張りの店内を見遣ると一面に並ぶ肉があった。 焼肉…か この中に、君の好みに合う肉は果たしてあるのだろうか。 肉にうるさい君は、この中から見事正解に行き着くことができるだろうか。 願わくば、18皿目までに辿り着くといい。 そしてその時は、君に今の気持ちを伝えられたらいい。 画面にゆっくりと触れ、くぐもった音を五つ数えた。 『…はい……もしもし?』 懐かしい声に息が詰まる。 肉を見てたら会いたくなった。 そう言ったら、君は笑うだろうか。 「もしもし…久しぶり 元気?」 息を吐き、ガラスの引戸を開ける。 受話器の向こうで、彼女の笑い声が聞こえた〉…約10分 ■代官山駅9分 恵比寿駅から265m
駐車場有 近隣にコインパーキングがありますが、マジで信じられないくらい高いです。 駐禁のおじちゃんは17:00以降見かけません。